大人の睡眠時無呼吸障害

『少しくらい無呼吸でも大丈夫』なんて考えてませんか? 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は様々な症状の原因になります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な症状と原因

症状その1 いびきをかく

気道が狭くなる事で、そこを通る空気がのど(咽頭)を振動することによって生じる音です。
つまり、いびきをかくという事は気道が狭くなっている証拠といえます。

なぜ気道が狭くなるのか?

健常者であっても仰向けで寝ると動きにより、舌や軟口蓋が気道を狭くします。
また睡眠という状態では、筋の緊張も緩んでしまいます。
1)筋力の低下(加齢) 2)舌が重い(肥満) 3)顎が後退している、扁桃肥大がある

症状その2 寝汗をかく、寝相が悪い 何度もトイレに行きたくなる

閉塞型SASでは、無呼吸の間はいびきが止まり、その後あえぐような激しい呼吸や大きないびきで呼吸が再開するのが特徴です。
あえぐような呼吸をすることによって、寝相が悪かったり寝汗をかいたりもします。また夜中に何度もトイレに起きるといったこともあります。

症状その3 倦怠感や頭が重い

呼吸が止まっている間は、酸欠を起こしているような状態になります。そのため朝の起床時に頭が重いといったことも起こります。
休むための睡眠が、無酸素運動をしているのと同じような状況になってしまいます。それにより、全身の倦怠感や不眠といったことにも陥ることがあります。

症状その4 日中の眠気

SASの患者さんは、無呼吸から呼吸を再開させる度に脳が覚醒状態になるため睡眠が分断してしまいます。
この脳の覚醒は、本人に起きたという自覚がありません。
しかし脳の覚醒により、深い睡眠が得られなかったり、夢を良く見るといわれるレム睡眠がこまぎれになったりします。
7時間ベッドに入っていたとしても、SASによって睡眠が分断されていると、睡眠時間が不足しているのと同じ状態になります。

閉塞型SASがもたらす社会的影響

SASによる日中の眠気のために、交通事故や災害事故を起こす危険性が高くなります。
2003年2月26日に、山陽新幹線の運転手が居眠り運転を起こす事例がありました。その後の検査により運転手がSASであることが判明し、SASへの注目が集まるようになりました。また生活の質(QOL)を調査した結果から、SAS患者さんの軽症から中等症では「活力」が障害されており、重症ではさらに広い項目のQOLが障害されること、また本人のみならずベッドパートナーのQOLも障害されることが報告されています。

閉塞型SASの合併症(もしSASを未治療で放置した場合)

閉塞型SASがもたらすリスク

SAS患者さんにおける高血圧は健常者の1.37倍、夜間心臓突然死は健常者の2.16倍、脳卒中・脳梗塞は健常者は健常者の3.3倍高いと言われています。
SASでは酸欠状態になり、少ない酸素を全身にめぐらそうとして心臓や血管に負担がかかります。
この状態が長い間続くと、様々な生活習慣病の合併症を引き起こす可能性があります。

※ 心不全患者さんの30〜40%はSASを合併しているといわれています。
※ 小児のSASにおいては、特に発育障害が問題となってきます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてのまとめ

睡眠時無呼吸症候群は「大きないびき」、「睡眠中の無呼吸」、「日中の過度の眠気」などの症状がでる病気で、無治療でいると高血圧になる確率が健常者の3倍、脳卒中などの発症リスクが健常者の約4倍になると言われています。
また、居眠りなどによる交通事故の発生頻度も健常者の7倍にもなります。また、産業事故の発生頻度も上昇するといわれています。

日本では2003年2月に起きた、新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故が有名です。
この運転士は睡眠時無呼吸症候群と診断されました。そのため、新幹線の運転中に堪え難い眠気に襲われ、8分間も居眠りし、ブレーキ操作が行なわれずにATCが作動して新幹線が緊急停止したという事故です。
この事故をきっかけに、テレビや新聞に睡眠時無呼吸症候群がとりあげられることが多くなり、世間一般に知られるようになったといわれています。

生命予後に関しても、アメリカのHe氏らの報告では、睡眠時無呼吸があると8年後の生存率が、対象者平均96%なのに対し、中等症以上の睡眠時無呼吸があると平均63%と優位に悪いとの結果がでています。
つまり、睡眠時無呼吸の人は100人中、8年後には37人が死亡しているということです。

では、どれぐらいの患者さんがいるのでしょうか?

欧米での報告では一般人口の約5%の有病率と報告されています。

最近は日本での有病率もほぼ同じぐらいと推定されていますので、それからすると、日本での患者数は約600万人ということになります。日本で糖尿病の患者さんが700〜800万人いると推定されていますので、それに匹敵するぐらいの患者さんがいることになります。県内ではどうでしょう。
沖縄の人口139万人中の5%だと、6万9500人の睡眠時無呼吸症候群の患者さんがいることになります。
決して珍しい病気ではないことがわかります。

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